誰か この 状況 を 説明 し て ください 小説

「そうですか」 「少しでも早く休暇に入りたいので、僕、頑張ってきますから! !」 旦那様が力強く宣言しています。こういう宣言をした時って、本当に最大限の力を発揮してきますからねぇ、コノヒト。 まあお疲れでしょうから、早く休みたいのはわかります。 「あ、はい。長きにわたってお疲れ様でございましたものね」 「そうですよ! 貴女との時間を取り戻さねばなりません!」 「え、そこ? !」 思わずツッコんでしまいました。疲れたから休みたいんじゃなくて私と過ごすためって、あなた。 「そこです! とにかく、全力で頑張ってきますので」 「は、はい」 しかし私のツッコミなど意に介さない旦那様、やっぱり全力で頑張る宣言です。 仕事を頑張るのはいいことですので、ココはよしとしましょうか。 「え~、なんで私も行かなきゃならんのだ~?」 と抵抗を見せるお義父様と、 「では行ってきます! 誰かこの状況を説明してください - 契約更改. ほら父上、早くしないと早く帰れませんよ!」 なるはやで仕事を終えたい旦那様がお義父様を引きずり、 「行ってらっしゃ~い」 今日も素敵にキラキラしいお義母様が、満面の笑みで手を振り、 「行ってらっしゃいませ」 ロータスたちと一緒に見送る私。 なんだか今日はにぎやかな朝ですねぇ。

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通常価格: 5, 700pt/6, 270円(税込) 貧乏貴族令嬢のヴィオラに超名門公爵家の美形当主、サーシス様から縁談が舞い込んだ。何もかもが不釣り合いなこの縁談に首を傾げるヴィオラ―― そんな彼女に、公爵様はとびきりの笑顔で言い放つ。「私はお飾りの妻を欲しているんですよ」……え? コノヒト、今なんつった?? 『衣食住は完全保障』『跡継ぎ不要』『社交自由』『愛人を作ってもOK』―― 各々の思惑により、契約から始まった結婚の先に待つのは幸福か不幸か!? ま、なるようにしかなりませんけど。貧乏令嬢と旦那様の"契約"ウェディング・コメディ!※本作品は『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~』シリーズ1~6巻を1冊に収録しております

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後ろ手バイバイしながらミモザの開けて待つ扉の向こうへ、いっそ清々しい一陣の風のように去っていかれたカレンデュラ様。 かたや私の目の前で大理石の彫刻もかくやとばかりに硬直したままの旦那様。 私はカレンデュラ様になんとお声をかけたらいいのかわからず黙ってその背中を見送っていましたが、ロータスとダリアも沈黙のままでした。二人とも顔に何の表情も乗せていませんでしたので、どう感じているのかは知る由もないですが。 さて。 この固まったままの 彫像 ( だんなさま ) をどうしましょう。エントランスのお飾り石像は間に合っています。 じゃなくて。 綺麗な濃茶の瞳は開いてはいるものの視点が定まらず、瞳孔も開いているようです。しかしこのままエントランスでいつまでもつっ立ったままで凝固しているのもなんですし、ましてやこの長身で素晴らしくスタイルのいい旦那様を人力で運ぶのは重労働なのでご自分の足で移動してもらうべく、私は旦那様の目の前で手をひらひらさせました。 「旦那様、旦那様? 彼女さん出て行っちゃいましたよ? 追っかけなくていいんですか~?」 おーい、意識はあるかーい? と、手をブンブン振ってみます。するとそれまでどこを見ているのか判然としなかった瞳に急に輝きが戻り、私のそれとかち合いました。 いきなりプチトリップから戻ってきた旦那様に驚いて一歩下がった瞬間。 むぎゅう!! 「ぐえっ……」 おもむろに旦那様の両腕が私の体に巻きついてきました。力任せというか、切羽詰り感ハンパないというか。危なく私は魂的な何かを飛ばしそうになりましたよ! 誰かこの状況を説明してください! 小説&コミカライズ合同トライアルBOOK - 文芸・ラノベ - 無料で試し読み!DMMブックス(旧電子書籍). 背骨も何本かもってかれたと思いました。 「だ、旦那様!! ぐるじいぐるじい! !」 辛うじて自由の効く手でバンバン旦那様の背を叩きますが、騎士として日頃から鍛錬されているだろう旦那様には猫パンチ以下のダメージしか与えられていない気がします。悔しいです! 緩むどころかしっかりと抱きしめられた状態のままフガフガもがいていると、 「ヴィオラっ!! 貴女まで出て行くなんて言いませんよねっ? !」 旦那様の声が頭上から降ってきました。いつもの落ち着いた耳触りのいい声ではなく、焦りのにじみ出た少し荒げた声です。 「へ?」 なんだなんだと目を丸くしていると、私を抱く腕の力がさらに強まり。ぐえ。背骨! 背骨がたわんでますから!! 「ヴィオラ、もう一度話し合いをしましょう!

結構長い 散歩 ( ・・) だったので疲れたでしょう?」 旦那様が気遣ってくれました。 体力はある方なのでそういう疲れではないんですけどね。まあ、でも、いろいろね、精神的な何かをごりごりと削ってしまった疲れはありますね。あ、もちろん誰のせいでもない、自業自得ってやつですけど。とほほ。 「そうですね。そろそろ戻りましょうか」 素直に旦那様の提案に賛成します。もうこれ以上墓穴はほりたくありません! 私の答えを聞くと、旦那様は私の手を引き、モンデュックの丘の方に向かって歩き出しました。
May 21, 2024, 7:38 pm