市民 の ため の 世界 史

世界史全体を鳥瞰した構図の提示、先端研究と新領域の多彩な記述、固有名詞や年代の羅列を排除、中学・高校の歴史学習との連携、市民が読める教養としての歴史。新しい世界史がはじまる。 「BOOKデータベース」より

市民のための世界史 シラバス

国を越えた広い範囲で、歴史の大きな構図を丸ごと理解しようとする、グローバル・ヒストリーと呼ばれる研究分野。 その世界的な拠点である大阪大学の研究者達が、学生の一般教養向け教科書として書いた本。 歴史上、どの地域が主流となり、それに対して周辺地域はどう応じたのか。 大きな流れが、ダイナミックに書かれている。 年号や人名などは最小限しか書かれていない。 全13章のうち第2章で5世紀、第4章で14世紀と足早に駆け抜け、第13章は1980年代から2013年までを扱う。 どういう歴史を経て現在に繋がっているのか、その流れが分かりやすい。 文中には読者への問いかけがあり、これがまたレベルが高い。 Q. モンゴル帝国とアメリカ合衆国の共通点について、政治と社会、軍事と経済などを中心に整理せよ Q. ガンディーの指導者として優れた点、指導者としての限界は何か? 市民のための世界史 要約. など丸暗記では絶対に答えられない問いかけが並ぶ。 終章には、著者達おすすめの歴史関連文献がリスト化されており、 その書名を眺めているだけでもワクワクする。 簡潔明瞭、内容が濃縮された名著。

市民のための世界史 要約

羽田 正 (はねだ まさし), 2011: 新しい世界史へ — 地球市民のための構想 (岩波新書 新赤版 1339)。岩波書店, 220 pp. ISBN 978-4-00-431339-7.

市民のための世界史 歴史を学ぶ意義

知りたいことをネットで質問するのに、うまい方法がある。 初心者は、「○○について教えてください」と尋ねる。すると、Wikipediaのコピペを掴まされた挙句、「ちなみに旦那の年収は一千万円です」と聞かされるハメになる。上手な人は「教えてください」なんて下手に出ない。では、どうするか?

市民のための世界史

この教科書は、説明の一部に高校生のレベルを超えた難解なものがあるが、土台になる事実のレベルでは、高校でも教えられるものと、著者たちは考えているのである。その意味でこの教科書は、現役高校教員への挑戦状でもある 前書きからこの勢い! これぞ阪大世界史! というわけで、ステルスマーケティングというには全くお金もらってるわけでもないですし、ダイレクトマーケティングというほど直接的な関係を「いま現在」保ってるわけではないですが、ちょっと思い入れがある組織から出ている一風変わった世界史教科書がどうも当たっていると小耳に挟み、読まないわけにはいかないと思って買いました。 大阪大学歴史教育研究会編『市民のための世界史』(大阪大学出版会、2014)です。 阪大の世界史講座は一部業界ではアンチ山川世界史教科書として有名な帝国書院の世界史教科書に深く関わってる一団で、専門レヴェルに留まらない高校や大学での教養レヴェルでの世界史教育にも熱心な団体なので、日本での世界史(ないし日本史含む歴史とそれらの教育)の先端を覗こうと思ったら絶対に避けては通れないものだと思います。というわけで読みます。 それにしてもAmazonでも品切れで取り寄せに10〜12日、他のECサイトでも絶賛品薄の模様。最近どうも有名なブログに取り上げられたらしいですが、流通量が少ないところに著名ブログの影響力で注文が殺到した感じでしょうかね……。 読み終えたらまた感想とか書きたいところなのですが、まあそこそこボリュームのある本なので、いつ読み終えるか……まあ、ゆっくりちんたら読んでいきます。

中ソ対立と社会主義の行き詰まり 第13章 現代世界の光と影 1. 新自由主義と冷戦の終結 2. 開発と民主化 3. イスラームの復興と挑戦 4. グローバル化と反グローバル化 終章 どのように世界史を学ぶか 1. 歴史学とはどんな学問か、どのように発展してきたか 2. 世界史をさらに学びたい人のために あとがき 図版典拠一覧 索引

May 18, 2024, 8:56 pm