開胸手術後の痛み 開胸術後疼痛症候群(Ptps) | 慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ&A

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肺の手術後、胸痛が続くのですが?|一般社団法人日本呼吸器学会

A)個人的な意見ですが、手術の技量で、肺炎の発症率が大きく変わることはないと思います。 肺炎と技量には、直接的な関係はないと思います。手術時間が長い、出血量が多いなどの場合に、合併症が増えることは事実です。しかし、そうした手術のほとんどは、もともとの病気が進行していたり、切除や再建(臓器の通り道を作り直す手術手技のこと)など、複雑な操作が必要な手術であったりしますので、手術時間を手術の技量と直結して考えることにはなりません。長い手術=高い合併症比率ということはあっても、長い手術=下手な手術とは簡単には決めつけられないのです。平均的な外科医と比べて、同じ手術に数倍も時間がかかってしまうレベルなら、何かしら影響があるかもしれませんが、予定の2~3倍の時間がかかることは、外科医の技量に関わらず、普通にあります。 肺炎の発症に最も影響するのは、何と言っても元々の肺の状態であり、その意味で普段より肺を大切にしていただきたいというのが、外科医の願いです。

A)心配です。明日にも診察を受けてください。 傷口周囲が炎症を起こしている可能性がありますので、手術を担当した医師の診察を受けて下さい。 Q)抜糸はいつ行うのですか? A)当科では、ほとんどのキズは抜糸が不要な縫合を使っています。チューブを留置していたところのキズの抜糸は術後2週間ごろを目安に行います。 キズを縫った糸は早く抜いてしまうと、キズが開く可能性があります。長く置いておいた方がキズを固く接着させるためには良いのですが、糸が長い時間皮膚に残ると、糸自身が皮膚に傷を作ってしまいます。 当科では、ほとんどキズを、糸が残らない特殊な縫合法(埋没縫合と言います)の上に、皮膚表面接着剤と皮膚接合テープという方法で閉鎖しています。この方法では抜糸は必要ありません。 一部のキズ(通常は、チューブを留置していたキズの一か所です)は糸が残ることがありますので、これらは抜糸を行います。チューブが留置されていたところにキズは、手術の時の閉じたキズとは違う治癒過程(二次創傷治癒と言います)を経て、キズが融合していきますので、抜糸のタイミングにも、他のキズと違う配慮が必要です。 Q)抜糸したのでキズを触っても大丈夫ですか? A)しばらくはあまり触らない方がいいでしょう。 キズは糸でくっついているのではなく、組織液に含まれる線維などの働きで接着し、固まって瘢痕組織となると簡単には離れなくなります。木工工作に例えると、組織液は接着剤で、縫った糸は、接着剤が固まるまでの間、部品が動かないように固定するために使う輪ゴムのようなものに相当するでしょうか。組織液という接着剤は数日でキズを接着させることはできますが、まだ接着力は弱く、このころに強い力を加えると、容易に傷口を開くことができます。強い接着力となるまでには3か月程度かかるのが普通です。抜糸直後はまだ十分な接着力はありませんし、炎症反応も残っていますので、あまり傷口は強くこすったりしない方が良いでしょう。 Q)キズにはガーゼも当てないのですか? A)液や汁が出ないようなキズには、ガーゼは当てません。 近年、乾燥し閉鎖したキズにはガーゼは不要と考えられるようになっています。傷口の周りも含めて皮膚を清潔に保ち、普通通りに下着を直接着用してかまいません。 Q)下着や服がキズにあたって擦れて痛いのですが? A)キズの上に絆創膏などを貼ると幾分か擦れなくなります。 キズが赤くなっているようなら問題です。手術を担当した医師にご相談ください。

May 18, 2024, 9:15 pm