第11回 樹状細胞ワクチン療法の体験、相談から治療まで | がん治療・がん免疫療法のテラ株式会社

5度以上の発熱が続きました。 一般に、樹状細胞ワクチンは2、3週間おきに5~7回を投与します。投与を繰り返すことで、免疫の記憶を定着させて免疫力を強化するのです。私もその間隔で7回分を投与する予定でしたが、11月末に実施したPET-CT検査であやしい影がみつかり、4回目の投与が終了した頃に受けたMRI検査で脳に転移があると判定されました。その後年末まで、手術、入院、ガンマナイフと治療が続き、5回目の投与は年が明けた2015年1月となりました。 7回の投与を終えたら 7回の投与が終了すると、免疫力がどう変化したかを確認するために「 免疫力測定検査 」を再び行います。私は、飛躍的に免疫力が上がっていることが確認されました。 作成された樹状細胞ワクチンが余ると、残りは冷凍保管されます。私の場合は、7本を投与して5本が保管されました。8回目以降のワクチンは免疫力が下がってきたときに投与するとの治療方針になりました。自分の樹状細胞ワクチンを保管しているという安心感をもちながら、血液検査を定期的に行って自身の免疫状態を観察しています。 ※このウェブサイトの情報は著作権法により保護されており、複製、改変、転載等の行為を禁止します。

Q. 樹状細胞ペプチドワクチン療法とはどのような治療ですか? A. 樹状細胞ペプチドワクチンとは、樹状細胞に特定の癌抗原(主にペプチド抗原)を取り込ませて皮内に投与することにより、患者さんのナイーブT細胞を刺激して患者さん自身のキラーT細胞を活性化する治療です。樹状細胞は血液中には非常に少ないので、成分採血で多量の血液を採取して、血液中の単球を集め、これに数種類の薬を作用させて、樹状細胞に育て上げます。この樹状細胞に特定の癌抗原(ぺプチド抗原)を取り込ませます。治療は、こうしてできあがった樹状細胞ペプチドワクチンを患者さんの皮内に投与(1回のワクチンを両腋窩に2か所ずつ皮内注射)いたします。 樹状細胞ペプチドワクチンの作用メカニズムについて説明しますと、腋窩に皮内投与した樹状細胞ペプチドワクチンは、速やかに腋窩のリンパ節に移動します。ここで、樹状細胞がもっている癌抗原の情報(癌ペプチド)を用いて、リンパ節内でがん特異的キラーTリンパ球を増殖させます。これらのキラーTリンパ球が、がん細胞を攻撃するというメカニズムです。 上記の方法以外に、培養して得た樹状細胞を直接腫瘍に注射をすることがあります。こうすることで、樹状細胞は、腫瘍組織の癌抗原を効率よく直接取り込むことができます。ただ、この治療を行うためには、腫瘍が針で穿刺可能な部位にあることが条件となります。 Q. 自家がんワクチン療法とはどのような治療ですか? A.

有害事象はありますか? A. 樹状細胞ペプチドワクチンでは、ワクチン接種時に針を腋窩に刺しますので、その時は痛いですが、そのほかには特に有害事象はありません。 自家がんワクチン療法では、ワクチン接種部が発赤し、その後しばらくの間、黒色斑として残ります。ワクチン接種部は通常、肩から上腕にかけてです。 ハイパーサーミアでは、加温中に熱さを訴えられる方がおられますので、加温の程度を調節します。また、時折皮下脂肪が結節状に固くなることがありますが、2週間ほど休めば治ります。 Q. 主治医の了承が得られないと治療できませんか? A. 基本的には、主治医の先生からの診療情報提供書が必要です。主治医の先生と当院の医師と患者さんの三者の協力で、癌に対して立ち向かっていくことになります。よって、治療を行うには、主治医の了承は必ず必要となります。また、主治医のもとで行った各種検査結果のご持参をお願いしています。 Q. 主治医が免疫療法に対し否定的です。主治医と連携してもらえますか? A. 当院は全ての患者さんに、主治医と連携のうえ、紹介していただいています。免疫療法は、近い将来、癌治療の主流となる可能性の高い治療です。しかし、現在どの癌に対するガイドラインでも、当院で行う免疫療法が推奨されているわけではない(自由診療の為)ので、当院より積極的に免疫療法を行うよう主治医に働きかけることはありません。患者さんさえ差し支えなければ、現在通院中の病院の地域連携室を介して、免疫療法の併用を容認していただける適切な病院を決めて頂き、治療を進めてまいります。 Q. 主治医の先生に、「免疫療法はあまり効果が無く、インチキが多い。」といわれましたが? A. 一部の免疫療法を行っている施設では、効果について十分な説明がなされない、ケースがあったことは否定出来ません。 ただ、現在は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」という法律が平成25年11月に施行されており、厚生労働省、近畿厚生局の管轄下におかれています。当診療所でも、法に遵守すべく「再生医療等提供計画書」を提出し受理されています。こういったことから厳しい規則のもとで「がん免疫療法」を行っています。 効果については、患者さんの状態によって変わりますので、担当医が状態に合わせて詳しく説明を行い、患者さんに安全な安心した治療提供を行っています。 Q.

樹状細胞ワクチン療法の副作用はその種類によって異なります。基本的には樹状細胞を体の中に戻すことによっておこる重篤な副作用はこれまで報告されていません。 採血時の副作用:樹状細胞ワクチン療法を行う前に、専用の採血装置を用いてアフェレーシス(成分採血)を行い、患者様の血液から樹状細胞のもととなる細胞を取り出しますが、その際、口の回りや手足のしびれなどが起こることがあります。これはアフェレーシス時に用いる、血液を固まりにくくする薬によっておきる血中カルシウム低下によるものですので、カルシウムを補給することで改善します。 治療時の副作用:樹状細胞ワクチン療法のうち自己がん組織樹状細胞ワクチン療法および人工抗原樹状細胞ワクチン療法の場合、発熱また注射部位の発赤を認めることがあります。これら以外に特に心配される副作用は報告されていません。局所樹状細胞ワクチン療法の場合、がんの場所に注射針で直接樹状細胞を注入するため、注射による副作用(合併症)の可能性や発熱や注射部位の炎症による痛みを認める場合がありますが、重篤な副作用はこれまで報告されていません。

June 2, 2024, 6:01 am