ピロリ菌は除菌した方がいいのでしょうか? | 山下内科クリニック

他施設で、6か月以内に通常診療および健康診断として内視鏡検査が行われ、胃炎と確定診断がなされていた場合には、内視鏡検査を省略して感染検査を行うことができます。 その際には、診療録および診療報酬明細書の摘要欄に内視鏡の施行日および胃炎所見を記載しておくべきです。(注意: 6か月以内という期間は学会の見解であります) これらの証拠が不明確の場合には、再度の内視鏡検査が必要です。 ピロリ菌の除菌治療は具体的にはどのように行うのでしょうか? ピロリ菌の除菌治療は3種の薬を1週間内服するだけなので、実施は比較的容易です。 問題となる副作用は下痢、腹部不快、口内苦味などの軽度のものが20~30%の方に認められます。 まれに皮疹や肝障害などもありますが、重篤なものは稀です。 なお、3種類の薬のうちの1つはペニシリン系抗生剤のため、ペニシリンアレルギーがある方は、治療に際し、医師とよく御相談下さい。 副作用が問題になったときは、内服を中止することで回復することがほとんどです。 もともと短期間の治療であるため、除菌を成功させるには、続けて内服することが重要となります。 副作用により内服を中止すべきかどうか迷うようなことがありましたら、医師にご相談ください。 ピロリ菌の除菌が成功したかどうかはどのように確認しますか? ピロリ菌の除菌治療終了時から1か月程度間隔をあけて、「尿素呼気試験」を受けていただき、除菌の正否を確認するのが一般的です。 尿素呼気試験は試験薬を内服し、その前後で息(呼気)を集めて調べる方法で、比較的簡便で正確です。 一方、血液や尿の抗体ではピロリ菌の除菌が成功しても数ヶ月程度残っているため、判断しにくいことがあります。 また、胃の内視鏡検査を行い、胃の組織を採取して調べることでも判断できますが、採取する数が少ないと誤ることがあります。 1次除菌、2次除菌の順番は変更できるのでしょうか? 保険適用になった「慢性胃炎」のピロリ菌除菌 | 健康・医療トピックス | オムロン ヘルスケア. また、クラリスロマイシン耐性菌であることが判明している場合にはどうするのでしょうか? 保険診療では、1次除菌と2次除菌の順番の変更はできません。 ただし、クラリスロマイシン耐性菌であることが判明している場合は、医療費削減の面からも診療録および診療報酬明細書の摘要欄にクラリスロマイシン耐性である証拠(感受性検査の実施施設および施行日と結果)を記載して2次除菌を使用すべきです。 ピロリ菌の除菌治療が成功すれば、もう心配ないのでしょうか?

保険適用になった「慢性胃炎」のピロリ菌除菌 | 健康・医療トピックス | オムロン ヘルスケア

・乳酸菌LG21を含むヨーグルト、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)、フコダイン(ワカメやもずくなど海藻類に含まれるヌルヌル)、梅干し。 これらの食品には、ピロリ菌の働きを抑制したり、ピロリ菌の数を減らしたりする効果があることが分かっています。ピロリ菌の除菌期間中には、これらの食品を毎日摂り続けるようにしましょう。そうすることで、除菌成功率をアップさせることができます。また、ココアや緑茶などの飲み物にもピロリ菌の除菌効果や、ピロリ菌の働きを抑制させる効果がありますから、除菌中には努めて飲むようにするといいでしょう。 このように、ピロリ菌除菌中には、香辛料などの刺激物やアルコール、タバコなどを控えるとともに、ピロリ菌の除菌効果を高める食事を摂ることによって、除菌成功率のアップを図るようにするのがオススメです。

J Gastroenterol Hepatol 2001; 16: 723-8. 。 4.ピロリ菌の除菌に関するよくある疑問 4-1. お薬によるピロリ菌の除菌率(成功率)は? 除菌率はおよそ70%で、一次除菌でうまくいかず、二次除菌まで行った場合の除菌率はおよそ90%です。保険適応となるのは、二次除菌までなので、二次除菌でもうまくいかなかった場合には、三次除菌は保険適応外となりますので、自己負担で行うことになります。 また、近年、除菌率が年々低下しているとの報告もあります。一次除菌で使用するクラリスロマイシンは一般的な感染症にも用いられることが多いために、他の病気に対する治療で服用する中で、耐性を持った菌が現れていると考えられています。 4-2. 除菌に失敗した場合はどうなるの? 1回目の除菌に失敗した場合は、今回の説明のとおり、抗菌薬の種類を変更して二次除菌を行います。一次除菌と二次除菌の期間の間隔による除菌率の違いがあるという報告はないため、医師との相談の上、すすめるようにしましょう。 また、二次除菌がうまくいかなかった場合は、三次除菌を行えますが、保険適応外です。三次除菌では、ニューキノロン系の抗菌薬などさらに違う種類のお薬が用いられます。 4-3. 飲み忘れてしまったらどうすれば良い? 除菌を成功させるためには、7日間、1日2回を必ず守って服用するようにしましょう。 万が一、飲み忘れてしまったことに気づいた場合 ●気づいたのがすぐの場合には、気づいた時点で飲みましょう。次の服用までその分、間隔をあけます。 ●次に服用する時間が近い場合には、飲み忘れた分は服用せず、次の回のタイミングで1回分を服用します。飲み忘れてしまったことは医師や薬剤師に報告しましょう。 飲み忘れたからといって、2回分を一度に飲んだりするようなことは絶対にしないようにしましょう。飲み忘れて不安な場合には、医師や薬剤師に相談してみましょう。 4-4. ピロリ菌は感染する? ピロリ菌の感染経路は、まだ解明できていない部分が多くあります。 考えられているのが、経口感染、ピロリ菌感染者の唾液を介した感染などです。 胃のはたらきが不十分な幼少時に起こり慢性的に持続すると考えられており、成人における感染は、一過性のものである可能性が高いとされています。そのため、感染している大人から子どもへの食べ物の口移しなどには注意をしたほうが良いかもしれませんが、解明されていないことも多いため、過度に慎重になりすぎないようにしましょう。 5.おわりに 今回は、ピロリ菌の除菌に用いられるお薬の作用・副作用を解説するとともに、除菌中に注意すべきことやよくある疑問についてお答えするような形で説明しました。 ピロリ菌の有無を知るための検査を受けることによって胃がんになるリスクを知る手がかりとなりえます。また、ピロリ菌の除菌を行うことは、消化性潰瘍、また胃がんになるリスクを下げることにつながります。 7日間1日2回と、服用しなければいけないお薬の量も非常に多いですが、しっかりと指示どおりに服用することが大切です。除菌率を少しでも高めるためには、お酒(アルコール)の摂取や喫煙を控えるようにしましょう。 これからピロリ菌の除菌をされる方、実際に除菌中の方のために、少しでも参考になりますと幸いです。

May 14, 2024, 12:57 am