存在 の ない 子供 たち 実話
「最初はプロデューサーを探していたのですが、やはり皆さんこんな大きなリスクは背負えないという理由でなかなか見つからず、結局は自分たちでインディペンデントとして製作することになったという経緯があります。ハーレドも"撮影がここまで大変だということが最初からわかっていたらやらなかったかもしれない。知らなかったからこそ一歩を踏み出せた"と言っていました。機材をレンタルして撮影現場に行けば撮れるぐらいの気持ちだったようです(笑)。でも、私達は撮影が始まってすぐに困難の大きさに気付きました。そんな中、スタッフや役者たちと一緒に時間を過ごして、とにかく撮影を続けていったんです」 ーー撮影中に身の危険を感じることなどはなかったのでしょうか? 「誰かに傷つけられるという危険性はありませんでしたが、舞台となった貧困地域では雨が降ると下水の水が道路に溢れてしまうので、不衛生で臭いも酷いんです。公害で空気も汚染されていますしね。撮影中に1週間熱を出してしまったこともあります。当時はトレジャーちゃんと同じぐらいの年の子供がいたので、昼は授乳のために家に帰り、ランチ後に現場に戻るという毎日でした。撮影期間中はカメラマンと編集者が劇中でオーナーが住んでいるアパートに暮らしてくれたのですが、おかげでこの映画を作ることができたと言えます。どんなに危険な状況下の撮影でも、私達には大きな目的や使命があって、それが最後まで続ける強さに繋がったんだと思います」 ーー貧困地域ではない場所にあるご自宅へ撮影中に一旦帰るというのは複雑な気持ちになったのではありませんか? 存在のない子供たち 実話. 「とても複雑でした。役者たちと時間を共有したあとに自宅の温かいベッドで眠るというのは、罪悪感を抱かずにはいられなかったです。実はそういった心理的な負荷を未だに乗り越えられてはいないんです。ページを一枚捲るように簡単に忘れることなんてできませんから。彼らが厳しい状況に置かれたまま私は家族と幸せになっていいのだろうかという罪悪感はこの先ずっと消えないかもしれません」 ーー今日は本当に色んなお話をしてくださってありがとうございます。次回作の構想などはありますか? 「フィクションものはまだ何も構想はありません。ただ、ドキュメンタリー作品は作っています。今作で描いたような人達の人生は現実世界でまだ続いていますから、そういった人達に再び焦点をあてて、フィクションと現実が凄く細い一本の線で隔たれているような、時にはミックスしてしまうようなドキュメンタリーを完成させることができたらと思っています」 (インタビュアー・文/奥村百恵) 『存在のない子供たち』 2019年7月20日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開 監督:ナディーン・ラバキー 『キャラメル』 出演:ナディーン・ラバキー、ゼイン・アル=ラフィーア ヨルダノス・シフェラウ ボルワティフ・トレジャー・バンコレ 他 2018/レバノン、フランス/カラー/アラビア語/125分/シネマスコープ/5.
1ch/PG12 字幕翻訳:高部義之 配給:キノフィルムズ ©2018MoozFilms/©Fares Sokhon 7/20(土)公開『存在のない子供たち』予告 リヴァー・フェニックス特別編集の復刻本がついに発売!色褪せることのない輝きが甦る! !
1ch/PG12/字幕翻訳:高部義之 日本公開/2019年7月20日(土)、シネスイッチ 銀座ほか全国公開 配給/キノフィルムズ/木下グループ © 2018MoozFilms
5 印象に残る映画 2021年7月23日 スマートフォンから投稿 鑑賞方法:CS/BS/ケーブル レバノンが舞台?なのかな。貧困層の居住区なんだろうけど、まず町並みとか生活環境に目を奪われた。 予告無しで観始めたけど、あらすじを読んでから観た方がわかりやすいかも。 世界的には人身売買というのが実は社会問題になっていて、遠く離れた国ではこれは日常事なのかとも思えてしまった。 今と過去が交錯する展開だけど、混乱はしなかった。 4. 0 今も似たような事が起きている 2021年7月6日 スマートフォンから投稿 日本にいると難民問題は少し遠いものに感じるが、この映画を通して前よりも関心を持つようになった。 それぞれ俳優達の演技がうまいが、現実似たような境遇の人達ということを知り驚いた。 すべての映画レビューを見る(全149件)
実の両親と暮らした日々よりも、赤の他人であるラヒム母子との生活の方が遙かに幸せそうに見える描写から、果たして家族や親子にとって重要なのは血縁関係なのか、それとも確かな愛情やお互いへの思いやりがそれを越えるのか? そんな考えが頭に浮かんで仕方がなかった本作。 不法移民の存在や貧困も確かに原因の一部かもしれないが、やはり一番の原因は他者への無関心や現状へのあきらめの気持ちであることを、12歳のゼインの行動から教えられた気がしたと言っておこう。 CG合成や派手なアクションは無いが、衝撃的な題材と出演キャストの見事な演技が観客の心を掴んで離さない傑作なので、全力でオススメします! (文:滝口アキラ)