原油価格の注目点と見通し~国内のガソリン高は収まるか? |ニッセイ基礎研究所

原油価格の下落や高騰など変動による影響や見通しを徹底解説! リセッションとは?アメリカ・日本での定義やコロナショックとの関係を解説 リーマンショックで株価はどのくらい下落したの?コロナショックでどのようになっていくのか 高配当株はこれからどうなる?選び方のポイントを解説 トルコリラの特徴と現状 これからどうなる?上昇する可能性は?

  1. 原油価格 今後の見通し 2024

原油価格 今後の見通し 2024

世界的なコロナウイルスの感染拡大によって、経済活動が停滞しました。航空業界の減便や運送業の縮小により原油需要が減少し、原油価格の下落が始まりました。 2019年末時点で1バレル(※1)60ドル前後で推移していたWTI原油先物価格は、2019年12月に中国で新型コロナウイルスの感染者が確認され、2020年2月中旬から3月にかけて世界的な感染が拡大したことから、急降下します。2020年4月末には1バレル10ドル台の水準にまで低下しました(※2)。 その後、アメリカ各地の外出禁止令が解除となってから、1バレル40ドル台まで回復します。しかし、感染再拡大懸念からドイツとフランスが経済活動の制限を発表すると、再度34ドル台まで下落するなど、各国の経済政策や新型ワクチンの報道に右往左往する状況が継続している状況です。 (※1)WTI原油先物価格は1バレルという単位を使います。1バレルは約159リットルです。 (※2)2020/4/20に終値マイナス約37ドルという価格を付けましたが、短期的な取引が要因なため含んでいません。 世界の原油生産量は? 原油生産量が世界で最も多い国はどこだと思いますか?サウジアラビアやクウェートといった中東の国をあげる人も多いかもしれません。 しかし、グローバルノートの「2019年世界の原油(石油)生産量国別ランキング」によると、意外にも1位はアメリカです。2位がロシア、3位サウジアラビア、4位カナダ、5位イラクと続きます。 中東は原油生産量1位、2位の国こそありませんが、原油生産量上位に多くの国が名を連ねています。中東情勢は、原油価格に大きな影響があるということは知っておきましょう。 今後の原油価格の見通しは?

8円 ●石油石炭税:2. 8円 ●温暖化対策税:0. 76円 ●合計:57. 36円 このような税金を小売価格に含めているため、ガソリン価格の値下げには限界があります。 ・ガソリンの減税が行われれば安くなる可能性はある 原油価格の下落によって、ガソリン価格が大幅に安くなる可能性は低いでしょう。しかし、今後ガソリンに関する税金が減税されれば、小売価格の低下に期待できます。 ちなみに沖縄県のガソリン価格は特に高い状況ですが、ガソリン税については特別措置として減税されています。具体的には、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」によって、1Lあたり7円減税される一方、「沖縄県石油価格調整税条例」により、1Lあたり1. 5円徴収され、実質5. 5円の減税です。 ガソリン価格が3カ月連続で値下がりしている? 2020年前半、ガソリン価格は大きく変動しました。この動きを振り返ります。 ・2020年1月~3月までのガソリン価格 2020年1月~3月のガソリン価格は、新型コロナウイルスによる需要低下などから値下がり傾向でした。 ●2020年1月1日:146. 4円/L ●2020年1月26日:148. 1円/L ●2020年2月1日:147. 7円/L ●2020年3月15日:139. 2円/L ●2020年3月29日:132. 3円/L 1月のガソリン価格は、前年と同じ傾向が続き比較的落ち着いていましたが、2月に入り下落傾向へ変わります。3月に入ると、さらに急落傾向になりました。特にガソリン価格が下がったのは、新型コロナウイルスが国内で拡大し始めた3月と重なっています。 ・2020年4月~7月現在のガソリン価格 2020年4月1日以降もガソリン価格は、値下がりが続きます。底値を打ったのは5月10日。2月の値下がりから約3カ月後となりました。 ●2020年4月1日:146. 原油価格が下落?値段が下がる理由とその後の見通し -. 4円/L ●2020年4月26日:123. 9円/L ●2020年5月1日:122. 5円/L ●2020年5月10日:119. 9円/L ●2020年5月24日:122. 5円/L ●2020年6月1日:124. 2円/L ●2020年6月21日:127. 1円/L 6月になって経済活動が再開し、6月21日頃から127円~128円台の横ばい傾向で落ち着いています。7月9日時点のガソリン価格も127. 1円でした。 需要の低下は5月に底値 新型コロナウイルス拡大をきっかけに下落した原油の価格は、4月後半から少しずつ上昇しています。また、国内のガソリン価格に関しては、5月10日に底値を打った形となり、以降緩やかですが回復傾向です。 ただし、完全な需要回復の見通しは依然として不透明ですし、直近では九州を中心とした豪雨被害が続いているため、バス・自動車(ガソリン・ハイオク)といった交通関係のガソリン需要が早期に完全回復する見込みは立っていません。 原油価格は底値の見通しが立たなくなった?
May 18, 2024, 6:53 pm